チベットとか
http://www.videonews.com/on-demand/361370/001282.php
後半の平野聡氏(東京大学大学院准教授)がおもしろいです。
以下メモ

▽歴史
前近代:人間の住むところ全て*1皇帝の支配下。皇帝の住むところが「中国*2」。チベット仏教文化。もともと中国ではない。
元朝モンゴル帝国の一部(高句麗元朝の一つの省)
明朝:一朝貢
清朝チベット仏教保護を条件に統治(但し自治に任せる)
<西欧列強による侵略>
清朝末期:清朝官僚は儒教の観点から西欧文明を評価。近代化に躍起。日帝モデル*3の導入。⇒チベット反発。独立宣言。
清朝崩壊後:大英帝国の保護下に。
中華人民共和国成立:1951年ラサ侵略。中共支配の確立へ。しかし仏教尊重・貧困解決が行われない。1957,58年反発。59年ダライラマ亡命。

チベットに高度自治を認めない理由
清朝以来、中国の神聖不可侵の領土である遅れたチベットに対し漢民族の手により文明を導入する。
社会主義化を経て現状の制度に組み込まれているチベットに高度自治を認めると、他の少数民族や省からも高度自治要求が出てくる。
・日本の歴史認識、領土問題が中国共産党のlegitimacyであり、ここで失敗すると失脚する。慎重に対応せざるを得ない。ドラスティックに政策を変更するよりも国際社会からの批判を甘受する他ない。

*1:天下

*2:儒教・漢字文明の中心。つまり文化概念。

*3:単一民族国家化。中国ナショナリズムの力で少数民族儒教・漢字を学ばせ単一民族国家化を目指す。